韓国文学便り1-3〜日韓大型書店の夢のタッグ実現!〜 (1-2の続きです。)
JR 新宿駅 東口より徒歩3分のところにある紀伊國屋・新宿本店にて。
大型書店・紀伊國屋新宿本店。とも大王とほんちゃんが一階で話しています。
どれどれ、この奥に行けばビックリするようなことがあるじゃと……早よ行ってみようではないか!
そうですね〜(笑) とも大王、こちらです!
てくてく てくてく
何だか見覚えのあるロゴが見えてきたような……って、これはもしかして、韓国の大型書店・教保文庫のロゴではないか!?
そうなんです! 実は2018年7月から、日本・紀伊國屋書店と韓国・教保文庫が業務提携を行っているんです。
夢のタッグ! 紀伊國屋書店と教保文庫が業務提携
まず、教保文庫(교보문고)とは、ソウルを中心として韓国全土に35店舗を展開する大型書店です。永豊文庫(영풍문고)とともに国を代表するような超有名な書店です。実際に訪れると分かると思いますが、書籍だけでなく文房具なども豊富に揃えており、読書スペースも確保してあるような書店で、本好きにとってはたまらないスポットと言えます。
それでは、なぜ紀伊國屋と教保文庫が業務提携をしたのでしょうか? 紀伊國屋書店公式HPによると、業務提携の具体的な取り組みや検討することを以下のようにまとめています。
1. リアル書店の魅力をいかに創出し訴求していくか
2. 効率的な仕入・販売をいかに実現するか
3. 優秀な書店員をいかに採用・育成するか
4. 日本と韓国の書籍雑誌と読書のトレンドをどのように共有し相互の書店経営に活かすか
5. 日本と韓国の読書文化の環境をどのように整えるか
参照
つまり、まとめると
リアル書店の魅力を発信し、日本と韓国の読書文化を整えることを目的にしていると考えられます。
本のラインナップや価格は?
教保文庫のベストセラーを中心にまとめられています。
例えば、小説で言うと大ベストセラーの問題作『82年生まれ、キムジヨン』(チョ・ナムジュ著、斎藤真理子訳 2018)、フェミニズム関連本として『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(イ・ミンギョン著、すんみ・小山内園子訳 2018)、『ヒョンナムオッパへ:韓国フェミニズム小説集』(チョ・ナムジュ他2名著、斎藤真理子訳 2019)、主人公が 主人公が51人の連作短編集『フィフティ・ピープル』(チョン・セラン著、斎藤真理子訳 2018)、現代韓国最大の女性作家、ハン・ガンの『すべての、白いものたちの』(ハン・ガン著、斎藤真理子訳 2018)、エッセイだと『私は私のままで生きることにした』(キム・スヒョン著、吉川南訳 2019)などがあります。
また、価格は韓国の2倍ほどになりますが、韓国語原書の本もたくさん置いてあります。例えば小説で言うと『82年生まれ、キムジヨン(原題: 82년생 김지영)』(チョ・ナムジュ著 2017)、『ヒョンナムオッパへ(原題: 현남 오빠에게)』『フィフティ・ピープル(原題: 피프티 피플)』(チョン・セラン著 2016)、エッセイでは『私は私のままで生きることにした(原題: 나는 나로 살기로 했다)』(キム・スヒョン著 2018)、邦訳『死にたいけどトッポッキは食べたい(原題:죽고 싶지만 떡볶이는 먹고 싶어)』(ペク・セヒ著 2018)なとがあります。
韓国に行かずとも韓国語原書の本が買えるのはとても魅力的だと思います!
これからの目標や予定は?
さらに今後の目的や予定に関しては以下のように書かれています。
日本と韓国を代表する書店である両社が提携することにより、両国における書店業界・出版業界の発展を目指します。今後、両社で定期的な協議を行い、人的交流、合同イベントの開催、紀伊國屋書店新宿本店での韓国書コーナーの設置などを検討いたします。
ここで注目すべきことは、「紀伊國屋書店新宿本店での韓国書コーナーの設置をする」と書かれていることです。
この文章を読んでから店内を見回すと、たしかに韓国書コーナーが設置されていると気付きますし、店員さんも韓国文学に対して関心を持っているとも分かりますね。
紀伊國屋書店に行った後の帰り道。新宿駅東口付近にて。
とても満足そうなとも大王の手元には、何冊か本が入っていそうな紙袋が掲げられていた。ほんちゃんの顔もとても嬉しそう。
てくてく てくてく
ビックリするようなことだと聞いたから何かと思っておったが、たしかにビックリしたわい(笑) 韓国文学の本もたくさん買えて、読むのが楽しみじゃ〜!
そうですね^^
韓国文学の勢いを肌で感じられましたね〜
……ということで、今回の本屋巡りはここまでになります。これからは実際に韓国文学の本を一冊ずつ取り上げて、具体的に韓国の文学について見ていこうと思います。これからも引き続きよろしくお願いします^^
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