韓国人はよく勉強しているが、なぜそこまで勉強しなければいけないのじゃ?
学歴社会になってしまった歴史的・社会的背景があります。
修学能力試験(日本でいうセンター試験)の会場に受験生をパトカーで送り迎える、テスト時間を配慮して工事を中止する、騒音はテスト中に邪魔になるため飛行機の離陸時間を遅らせます。
日本では11月になると「韓国受験戦争」の模様が面白おかしく報道されていますが、現地韓国では、受験生とその親御さんは正気ではいられません。
なぜかというと、大学受験が「その子の一生を左右する戦い」だからです。
今回は「韓国の教育熱」についてざっくり分析します!
背景その①韓国は知識人国家。知識は社会的地位を高める!
朝鮮半島の歴史を遡ってみると、国を動かし、国民を啓蒙してきたのは知識人であることがわかります。
代々朝鮮王朝(高麗)が中国の官吏登用制度である「科挙」を導入し、知識がある人を優先的に上級官職(両班)につかせました。
韓国の伝統では支配エリートは知識人(文官)であって、日本のような武士(武官)ではありませんでした。
「両班」が解体されたのも20世紀後半、身分制がなくなり民主的な社会になったのも最近のこと。
だから、未だに「知識人」=偉い人という意識があり、彼らには頭があがらない。
今でもエリートになりたいと有名大学を目指す人が多く、学歴社会になっているのはそのせいです。
背景その②立身出世のポイントは有名大学への進学!
なぜ、ほとんどの人が大学を目指すのか?
→それは良い大学へ行けば大企業に就職できるから。将来安定した収入を得ることができ、裕福な生活ができるからです。
一流大学は「社会的勝者」への窓口とされ、「将来のため、一流大学へ」という考えは親と子供の共通認識でもあります。
無事、有名大学に進学し、サムスン、ヒョンダイなどの一流企業に就職が決まった者たちが、韓国の将来を担っていくという構図になっているのです!
背景その③IMF経済危機が教育熱をさらに加速させる!
1960年代から70年代にかけて、朴槿惠大統領の父親である朴正煕大統領が中心となって急激な経済成長を果たし、その後も順調な発展を遂げていきました。
しかし突如、国民に悪夢が襲いかかる時間が起こります。
IMF経済危機
1997年韓国の通過であるウォンが大暴落し、国際通貨基金(IMF)の管理下に入ることを余儀なくされた。中小企業を中心に倒産が相次ぎ、失業者や自殺者が増加した。
国の経済が崩壊する経験をした当時の若者は先の暗い韓国で生活しながら、同時に「子供には自分のような苦労をさせたくない」と考えたに違いありません。
また韓国は儒教的思想が深く根付いており、親子の関係を大切にする慣習があります。
そういったことから、親は子供に良い大学へ行き、良い会社に勤めてもらうことを望み、将来幸せになってほしいと願っています。
現に塾に通っている児童、生徒の割合は小学生で全体の8割、中学生は7割、高校生は6割にまで上ります。
勉強に疲弊する子どもたち、子のために必死に働く親たち、全ては学歴社会によって引き起こされた事態だと言えます。
コメント